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【世界のギフトマナー】海外ビジネスに役立つ!ギフトエピソード by高橋克典【世界のギフトマナー】海外ビジネスに役立つ!ギフトエピソード by高橋克典

ギフト選びのNG週から相手の好みをリサーチするコツまで、グローバルに活躍するワーキングパーソンに役立つ情報満載。 外資系の社長を歴任し、海外暮らしを経験してきた筆者が、世界のギフトにまつわるエピソードをご紹介します。

Vol.12 【総集編】海外ビジネスに役立つギフト 8つのポイント

いよいよこのコラムも最終回を迎えることとなりました。これまで、私の個人的な体験も含めて、ギフトを贈る喜び、ギフトを受け取るうれしさ、そして、ギフトが取り持つ国境を越えた人と人とのつながりについてお話をしてきました。最終回は【総集編】として、「海外ビジネスに役立つギフトのポイント」を8つにまとめてお届けします。

Vol.12 【総集編】海外ビジネスに役立つギフト 8つのポイント
著:高橋克典 / 編集 : 永岡綾 / イラスト: 菅濱奈里
*掲載情報は、著者の経験および独自のリサーチに基づくものです

ポイント① 相手の信仰や風習に配慮する

日本人同士だったら、普通に贈り、贈られているようなギフトアイテムでも、国や宗教が違うと怪訝な顔をされたり、まったく喜んでもらえなかったりする場合があります。特に、深く宗教を信仰されている方に贈りものをする場合は充分な配慮が必要です。

私たちは、お酒やお菓子をはじめ、口に入れてもらうためのギフトを贈ることが多いですが、相手の信仰によっては注意すべきことがいろいろとあります。たとえば、イスラム教徒はアルコールや豚肉が、ユダヤ教徒は豚肉・貝類・甲殻類がNGなど、戒律によって厳しく制限されている食べ物があるのです。また中国系の方々には不吉とされる品物や色がある、ということも紹介しました。さらには、お国柄によって、女性から男性に贈ると含意が生じたり、男性から女性に贈るのは相応しくなかったりするアイテムも。

できるだけ相手の宗教や風習を理解してギフトを選びましょう。自ずと信頼関係が築かれるはずです。そして、贈る私たちにとっても、世界のさまざまな文化を学ぶきっかけになります。

Vol.1 贈る前にちょっと待ってください! ギフトNG集【欧米編】

Vol.4 贈る前にちょっと待ってください! ギフトNG集【東南アジア編】

Vol.7 海外出張の手土産選びは、相手の信仰に心配りを

Vol.8 ギフトを通して親密度がアップすれば、ビジネスがうまくいく

ポイント② ギフトを渡すタイミングにも要注意

忙しいビジネスパーソンには、ギフトを贈る絶妙なタイミング、というものがあります。先方のスタッフでシェアできるような手土産ならば、ミーティング前に。幹部の方に少し個人的な品物を渡すなら、相手の執務室や会食の場で。かさばる品物の場合は、贈る相手が手持ちで歩くことがないタイミングがベストです。また、後日ギフトを送付する場合は、どこに送れば相手にとって好都合なのかを事前に確認しておきましょう。オフィスより自宅に送ってもらいたい、あるいはその逆のケースもあります。

Vol.5 どんなタイミングで? どのように? もらった相手が何倍も喜ぶギフトの渡し方

ポイント③ プライバシーには踏み込まない

石鹸、ハンカチ、タオルなど、日本ではお馴染みのギフトアイテムですが、ヨーロッパにはプライベートで使う製品をギフトとして受け取る習慣がないので、よほど仲よくならない限りビジネスシーンでは避けておいたほうが無難です。相手のプライバシーを尊重するヨーロッパ人にとって、恋人や連れ合いでもない人から私室で使うものを贈られるのは、抵抗があることなのです。

もちろん、ある程度付き合いが長くなり、相手の好みがわかってきたら、オフィスや自宅に飾る写真立てや文房具、食器などのテーブルウェアは、毎日使ってもらえる素敵なギフトになります。

Vol.1 贈る前にちょっと待ってください! ギフトNG集【欧米編

ポイント④ ギフトの価値は値段では決まらない

ティーバッグの日本茶やインスタント味噌汁などの食品、けん玉・独楽・人形などの伝統的な玩具、和紙でつくられた文具、おたまや卵焼き器などの調理器具......。お手頃価格だって、相手に「これが欲しかったんです!」といわせる日本ならではのギフトアイテムはたくさんあるものです。また、本や写真集の巻末に一言メッセージを添えるだけで、心に残るギフトに変身します。何気ないコミュニケーションを通して相手の趣味や嗜好を少しでも知ることができれば、喜んでもらえるものを選びやすくなります。

Vol.2 贈る相手の好みを知ってこそ、ビジネスパートナーになれる

Vol.6 センスのいいギフトって何だろう?

ポイント⑤ 体験もギフトになる

一般的にギフトといえば品物ですが、来日した外国人ゲストに、書道、華道、歌舞伎、そば打ちなどを体験していただくことも素敵なギフトになる、ということをお話しました。モノとしては残らなくとも、思い出を持って帰っていただけますから。もちろん、体験の様子を写真に撮って差し上げても。SNSに凝っているゲストなら、それをアップすることもうれしいギフトになるでしょう! すでに信頼関係で結ばれた相手なら、サプライズ演出も効果的です。

Vol.3 意表をつくギフトで、相手との距離をぐっと縮める

Vol.6 センスのいいギフトって何だろう?

ポイント⑥ 日本人としての矜持を伝える

やはり伝統の技を使ってつくり上げられた品々は、私たち日本人が外国の方に差し上げるギフトの王道といえるでしょう。日本の伝統工芸品は多種多様。紙、木、鉄、金、錫、銅、銀、石、土、ガラス......あらゆる素材を使ったものが見つかります。そして最近はプラスチックや樹脂を巧みに使って、モダンなデザインを演出しているものも少なくありません。

茶碗、箸、扇子、花器など、基本的には日常使うためにつくられたものが多いですから、飾っておくだけはなく、日々使ってもらえるとよりうれしいもの。渡すときには、ぜひ使い方を伝授してあげてください。

Vol.10 ギフトを通して日本文化を伝える

ポイント⑦ ジャパンデザインを贈る

今や「ジャパンデザイン」はワールドクラス。世界的に活躍する大ベテランデザイナーから新進気鋭の若手クリエイターまで、その層の厚さは世界屈指です。彼らの手掛けたものは、たとえアバンギャルドな一品であっても、どこかに日本的な繊細さ、色、文様、精緻さが漂っているもの。そんな日本を彷彿とさせるデザインそのものが、価値を持っているのです。「ジャパンデザイン」を切り口に選んだギフトを差し上げる際には、ぜひ、デザイナーについて簡単な説明を添えてください。受け取る喜びが倍増することでしょう。

Vol.6 センスのいいギフトって何だろう?

Vol.10 ギフトを通して日本文化を伝える

ポイント⑧ ギフトに愛を込めて

ギフトを渡すときは「つまらないものですが」はやめて、「あなたのために選びました」「お気に召すといいのですが」といった言葉を添えましょう。せっかく一生懸命選んだギフトなのですから、自信を持って差し上げてください。そのギフトに込められたあなたの愛が、きっと相手の心に届くはず。心の込もったコミュニケーションが信頼関係を築いていくのは、日本人同士でも、海外ビジネスでも同じなのです。

これからも、ギフトを贈る喜びをエンジョイしてくださいね!

高橋克典

高橋克典Katsunori Takahashi

1957年生まれ。シャルル・ジョルダン、カッシーナイクスシー、WMFジャパン コンシューマーグッズなど、海外企業の子会社や日本法人の社長を歴任。ヨーロッパを中心に世界各国とのビジネスを経験し、またフランス在住経験を持つ。現在は、企業のコンサルティングをしながら、講演や執筆活動にも力を入れている。著書に『海外VIP1000人を感動させた外資系企業社長の「おもてなし」術』『小さな会社のはじめてのブランドの教科書』(ダイヤモンド社)など。